面接に挑む前に準備しておきたいこと

エージェント経由だと「履歴書」「職務経歴書」「自己PR」、だいたい3種類の書類で審査を受けることになる。だけど、ときどき「志望理由」を書いてくれって企業があるんだよね。これが案外時間がかかる。でも、面接では必ず聞かれることなので、「志望理由」の書き方も踏まえて、面接前の準備について書いておく。


◆業界研究は必ず!!!

まずは全体像を掴むことを心がける。

学生時代の就職活動から約10年。当時は業界本なるものを買わなくてはならなかったが、今ではネット上にWikipediaをはじめ、ご丁寧な情報がたくさん溢れるようになった。行きたい企業が見つかったら(もし書類審査を通過したら)、まずは業界情報をとにかく集めてほしい。あなたがIT企業を志望しているのであれば、「IT業界とは?」「市場規模は?」「成長産業?それとも衰退産業?」「志望企業のポジショニング(業界での立ち位置)は?」「競合企業は?」まず、これくらいの情報をざっと洗い出す。

みんながどんなノートの取り方をしてるか知らないけど(そんなアナログなものは使わん!という人もいるかもしれない)、僕の場合はマインドマップで志望企業と関連づけていくようにした。

なんで、こういうことをするのか?
例えば、「IT業界」って定義がものすごく曖昧。携帯アプリを作ってる会社もあれば、銀行の預金システムを作ってる会社もある。こういうのを全部ひっくるめて、誰かが「IT業界」と名付けてしまった。じゃあ、あなたが言う「IT業界」とは一体何なのか?受験する会社と本当にリンクしているのか?そういうことが面接で必ず問われる。極端に言えば、mixiに入ったって、GREEに入ったって、仕事はほとんどかわらないかもしれない。でも、なんでmixiなのか?GREEではダメなのか?そこをきちんと説明することが求められる。その理由付けに上記の情報が役に立つ。


◆志望企業の業績を知る

会社HPを見よう。
会社概要は基本。せめて代表取締役の名前くらいは覚えておこう。あとは社員数とか営業所の数くらい。最近は企業の社長がブログを書いてることが多いから、一応目を通しておく方が無難。これも企業研究と位置づけてる会社があるからね。

大事なのはIR情報。志望企業がある程度の規模であるなら必ずIR情報を掲載している。そこで直近2〜3年の決算書には目を通してほしい。「俺。決算書とか読めないですけど…」という人も安心して。見る項目は「売上」「営業利益」「経常利益」「当期純利益」だけ。また、過去2〜3年でどのように推移しているかも要チェック。

決算書は株主に対する説明書だから、必ず素人が読んでも分かるように解説がされている。例えば、“不況の影響で業界全体が冷え込んでおり、必死に努力しましたが昨年よりも業績が落ち込みました。これを受けて来年度(つまり今年)はこんな風にがんばろうと思ってます。”ということが書いてある。ちゃんと読めば、志望企業がどんな事業で稼いでて、今後どんな風に業績を拡大しようと思っているのかがわかる。

これは“相手を知る”ことにもつながるんだけど、一番は自己防衛として役立つ。わざわざ転職活動をして、給料を下げたり、ブラック企業に入りたいと思わないでしょ!?その会社で誰がどんな仕事をしているから、今の業績が出てきたのか、それを知ることで本当にあなたが行きたい会社かどうかを判断できる。もし、決算書から判断できないのであれば、面接で堂々と質問すれば良い。「営業活動って具体的にどんな風にされているんですか?」と聞けば、きちんと教えてくれる。

ちなみにこの景気低迷期に採用をしている会社は、ある程度業績を順調に伸ばしている。でもね、社風が大きく2つに分かれる。社員を大切に育て業績に貢献してもらおうと考えている企業と社員を使い捨てにして業績を高めようという企業。後者がいわゆるブラックな会社になるわけ。

※わりと大手なんだけど、上場してないから決算情報を開示してない会社もある。そういうときは業界での順位なんかを検索したりすれば大体想像がつくよ。


◆志望理由を語ろう

「私は御社で○○がしたい」

さて、業界情報と企業情報を書き留めたら、志望企業が一体なんで求人を出しているのかを考えてみよう。これはあなたなりの仮説でいい。「志望企業は儲かっている→より一層の業績拡大を図りたい→未経験でも業績拡大に貢献できる人材へと育ててみせる→だったら思い切って全く業種が違うところから人材を引き抜き、自社社員にも刺激を与えたい」と、こんな風なロジックも組み立てられる。

こうやって考えてみると自分のセールスポイントが明確になってくる。あくまで仮説だから面接本番で外すこともあるんだけど、同じようなサービスを提供している会社は他にもいっぱいあるから気にしない。自分のセールスポイントをもとに志望企業にどんな貢献ができそうなのか想像してみる。具体的な話でもいいし、妄想みたいな話でもいい。大切なのは「入りたいんです!」というアピールよりも「入社して、こんなことをして、こんな成果を出しますよ〜」という自信と能力のアピール。

だから、「志望理由は?」と聞かれたら、「私は御社で○○がしたい」と答えるんだよ。当然、「なんで、そんなことができるの?」って質問が来る。業界情報と企業情報をしっかりと調べたあなただからこそ、説得力のある答えが用意できるんだよ。




ということで、「戦を始めるにはまず相手を知るところから」そうすることで自分の魅せ方を変えることができる。まずは試しに業界研究をやってみて!意外な事実が浮かんで来るはずだから、楽しいよ〜

履歴書・職務経歴書・自己PRの書き方

転職活動で、最初に苦労するのが「履歴書」「職務経歴書」「自己PR」の書き方。
書類審査では企業側に”ぜひ会いたい”と思わせなければいけないし、面接では自分が話す内容のベースになる。決して完成形がある書類ではないので、とにかく自分が納得するまで書き直しすること、企業に合わせて書き直しすることを勧める。では、順に詳しく解説していきたいと思う。


前提として、この3種の書類はあなたのオフィシャルな部分、すなわち仕事における人間性を示す書類だということを心に留めておいてもらいたい。あなたのプライベートな部分は書類審査において全く考慮されないので、記載する必要はない。


◆履歴書
「学歴と職歴が分かればいい」
履歴書の書式を見ていると様々な情報の記載欄がある。余分なのは志望動機や希望年収、趣味などの項目。これら別書類を作成するため、履歴書で必要な項目ではない。同様の文章を応募書類の中で2度、3度書くと矛盾点が生まれるため、面接でイヤなツッコミをされる可能性が高くなる。
だから、僕は自作した。基本的に必要な情報は、「個人情報」「写真」「学歴・職歴」のみ。A4一枚の書類の体裁を考えて、本人希望欄なども設けたが、基本は空欄のままで置いておく。希望事項があれば面接でその旨を伝える。
また、企業によっては.docや.xlsなどデータで書類を指定するところもあるが、その場合でも原則手書き。心を込めて丁寧に書くことを心がける。ただし、IT企業では書類のデータ化を行う場合もあるため、データの直接編集やスキャンなどを駆使すること。要は相手が読みやすい状況を作ることが大切。


職務経歴書
「自分を売り込むための書類①」
履歴書は淡々と事実を書いたので、職務経歴書と自己PRにはある程度のストーリー性を盛り込む方がいいだろう。基本はA4用紙2枚程度に収まるように何度も何度も書き直す。時には他者に見てもらい、自分が伝えたいことが伝わる文章になってるかをチェックしてもらおう。
職務経歴書に各項目は「職務概要」「職務経歴」の2つ。「職務概要」は○年間の仕事人生を総括した文章を淡々と事実だけ2〜3行でまとめる。「職務経歴」では所属会社、担当業務、実績などを書く。フォーマットは自由だが、企業の採用担当者が読みやすいように工夫することが必要。僕の場合は所属会社、担当業務、実績を箇条書きで書き、「経験から得たもの」という項目を作り、仕事への取り組み姿勢をストーリ仕立てでアピールした。
企業が評価するポイントは上記で書いた実績を残すために何を考え、どう行動し、どのような成果を上げたのか、また実績を残すまでにぶつかった困難をどのように対処したかという点に絞られる。当然のことながら、採用担当者もあなたの仕事人生において良いことも悪いこともあったことは分かっている。それでもなお、PRすべき出来事を書くことが書類審査をパスするためのコツと考える。
例えば、あなたが不動産業界に勤めていた営業マンだったとしよう。あなたは必ず組織の一員であり、組織で活動していたからこそ為し得た実績があるはず。新築マンション100戸のプロジェクトに携わっていれば、あなたの個人レベルの営業成績を書くのではなく、100戸の総売上50億(仮)純利益5億(仮)と書くことがポイントだ。このプロジェクトを完遂するにあたり、乗り越えた苦労や努力したことをアピールする。イメージできたかな?

◆自己PR
「自分を売り込むための書類②」
自己PRも非常に大切な書類だ。この書類では特にあなたの仕事観(仕事への取組姿勢)が求められる。職務経歴書に書いた内容をもとにこれまでの仕事で自分は何を大切に働いてきたのか、その結果何を得た(学んだ)のか、そして応募企業でどのように活かしていくのかを書くものだ。
自己PRの書き方は個人の裁量に委ねられることが多いので、これが正解というのはない。ただ、一般的に○○力と呼ばれるようなものを身に付けたことを○○力と書かずに物語ると「オッ!」と思われる。特に社内外での折衝力や前例を覆した事例などは大いにアピールするべきだ。
決して、“体力に自信あり”とか、“趣味は読書”などと書く書類ではないのでご注意を。



最後に…
「履歴書」「職務経歴書」「自己PR」が書けたら、全体のストーリーにどのような軸があるかを見直すのがいいだろう。書き出せば、あれもこれも書きたいと思うようになる。しかし、この転職活動で企業に自分の何を買ってもらうのか?まずはその一点を絞り出してもらいたい。そうすれば自ずと全体像のストーリーは浮かんで来るはず。
それから、ネガティブな要素は極力排除しよう。実際の面接で「これだけ素晴らしいパフォーマンスができるのであれば、転職する必要はないのでは?」と聞かれるくらいの方が良い。そのとき初めてあなたのネガティブな要因に軽く触れることが望ましい。


ざっと書いたので、疑問に感じるところがあるかもしれない。コメント欄に疑問を書いてもらえれば、できる限りの範囲でお応えしたいと思う。では〜。

転職市場にある意外な盲点

昨日に引き続き、転職関連エントリー


転職活動における心構え
「転職市場は買い手市場である」
企業が採用のために開いている門戸よりも、転職(就職)を希望している人の方が圧倒的に多い。だから、1つの求人に対する競争倍率は相当高い。その高い壁を乗り越えて、企業に選ばれなければならないのが、今の転職市場だ。ある転職エージェントが某有名企業への応募一覧表を見せてくれた。掲載期間は既に3ヶ月。採用数1人に対して100人以上が応募している。これだけ応募者が殺到していても1人も内定が出ていない。実際、企業に採用の意向があるかどうか不明だ。

実はこのような事例は多々あるようだ。それは人材紹介会社の営業スタンスが密接に関わっている。人材紹介の基本的なビジネスモデルは転職希望者を集め、採用を希望する企業とマッチングすることで手数料を得る。かつて、その手数料は転職者の年収の30%〜40%程度であった。現在、市場が買い手市場のため、手数料を値下げせずにはいられない状況にあり、転職者の年収の20%〜25%程度まで下がっている。

また、企業戦略上、重要な採用活動で同業他社に非公開にしなければならない求人数が減っている。むしろ、一般の転職エージェントにこの手の仕事を依頼しなくなっている(世の中にはヘッドハンティングを行う会社が増えてるからね)。併せて、求人媒体が多様になったこと、自社HPからも応募があることなどを鑑みると、転職エージェントを通して人材を紹介してもらうメリットが薄らいでいるのだ。

そこで企業にとって都合のいい条件が整っている今のうちに求人票だけは送っておいて、もしいい人材が応募してきたら採用しようと考える企業が増えている。ただし、明日からでも働いてほしいと思って求人票を出している企業もあるので、どちらに応募すれば内定につながりやすいかを考えると明確である。




上記内容から見えてくることがある。各企業には採用意欲はあるのだけれど、できるだけいい人材を採用コストをかけずに採りたいという思惑だ。今回の転職活動でエージェントから送られてきた求人をネットで検索すると結構な確率で自社HPにも採用情報が載っていることがわかった。企業側の立場で考えたとき、エージェント経由でエントリーした応募者と自社HPからエントリーした応募者であれば、後者の方が採用コストが圧倒的に安い。

ここで一工夫行えれば書類通過の確率が高まる。例えば、某エージェントからエントリーを行う。併せてその企業のHPからも同内容の書類で応募をする。どちらの書類を採用するのかは企業側の意向で決められる。だから、エージェント経由のエントリーは落とされ、自社HP経由のエントリーは通過するなんてこともある。




また、求人情報をよく見ていると、どの業界が人手不足かうっすらとわかるようになってくる。今だと医療業界、IT業界などは積極的に求人が出ている。仮にあなたがこの転職活動でIT業界へ進みたいと希望していたとしよう。転職サービスではなかなかあなたが行きたいと思える求人が出てこない…と思っているとチャンスを逃すことになる。このようなサービスを使って採用窓口を広げている会社がある一方で同業他社は自社HPのみで採用を行っているところも多数ある。

実際にWeb関連のマーケティング会社の求人が増えたな…と感じていたところ、電通博報堂中途採用を行っていた。企業のスタンスによっては転職サービスを一切使わないところもある。だからこそ、あなたの転職活動では転職サービスからの情報だけに偏ってはいけない。その情報をもとに同業界の企業も同時に検索してみるべきだ。企業側は自社HPからの応募者を熱心な応募者と評価してくれる。それだけで一般の転職活動者よりも情報・機会で優位に立てる。


転職活動はルール無用の世界である。自分を売り込むための活動だから、どこか営業に似ている感じもある。顧客の新規開拓を行うときには常に新たな顧客はどこにいるのかアンテナを張っているはず。採用情報もどこにあるのかアンテナを張っていれば、意外な優良企業に出会うことができるんだ。

7社の受験で5社から内定!

ブログの更新が3ヶ月も滞っていた…。
僕は普段から何かと他社の動向が気になるくせもの。「不景気」「不景気」とマスコミは煽り立て、新聞では「景気底打ち」「景気回復」なんて文字が踊る。結局、何が正しいのか?判断するためには自分の目で確かめるしかない!ということで、気楽に同業他社や異業種の方から内情を聞き出せるのが「転職活動」。本業の合間に精力的に活動してきた。
個人レベルの壮大な実験www
実際の体験とそこから得た学びをせっかくだからシリーズ化して記しておこう。


今回の転職活動では下記のことをポリシーとする。
・優良企業だと思う企業にしか応募しない
・業界は問わない(実験だからね)
・本気で内定を取りにいく


では結果から…
・約50社に応募(これは企業に書類を送った数)
・7社から面接の機会をもらい…
・5社から内定を勝ち取った
・内定企業の会社規模は社員数50名程度のベンチャー企業から1万人超の一部上場大手企業まで


転職市場は買い手市場。聞いた話によると内定率は3%。30社(面接を)受けて1社内定が出ればいいほうだという。正直、ここまでうまくいくとは思ってなかったけど、コツさえ掴めば誰にだってチャンスがあることがわかった。「そろそろ転職したいな〜。でも時期が悪いかな〜。」と思ってる、そこのあなた。まずは行動あるのみ!!!なのだよ。


転職活動のコツは詳細をシリーズ化する。
転職市場にある意外な盲点
履歴書・職務経歴書・自己PRの書き方
面接に挑む前に準備しておきたいこと
・面接対策
・内定をもらえたら…
タイトルは変わる可能性はあるが、大枠はこんな感じ。
(※随時、リンクを貼ってくので、乞うご期待)


ということで、今回お世話になった転職サービス
[ 転職エージェント ]
インテリジェンス
個人的にはあまりおススメしない。「キャリアコンサルタント」なる輩の態度が悪い。たぶん、一人当たりで抱えている案件が多すぎて、求職者に対して丁寧な応対が取れないような状況になっている。求人情報もキャリアコンサルタントのセンスで送られてくるため、ほとんど応募したいと思える会社がない。しばらく様子を眺めてたら、「応募する気がないなら、サービスを停止します」なんて脅されたりもした。

リクルートエージェント
個人的におススメします。求職者の話をきっちりと聞いてくれます。こちらも求人情報は担当者のセンスで送られてくるんだけど、「興味の湧く求人がない」と言うと、会社で管理している求人情報を全てオープンにしてくれて、自分で応募企業を選ぶことができた。この辺りの対応は腐ってもリクルート


[ 転職サイト ]
DODA
大手の求人情報は多いんだけど、応募しようとすると「インテリジェンスを通してください」という指示が頻発する。結果、「キャリアコンサルタント」から「この求人は他に適当な人物がいるので応募できません」なんてことを言われる。

enジャパンマイナビ
この2つはとても似たサービス。求人情報も豊富だし、一旦登録すれば自分の判断で応募ができる。どのような業界で人材が不足しているとか、競合他者同士の待遇の差などもチェックできるので使い勝手が良い。できれば両サイトへの登録をおススメする。

green
Webサービスとして異色なのが、このgreen。ベンチャー企業の求人にターゲットを絞った情報が掲載してある。特にIT系に強みを持っているので、IT業界出身者、またIT業界希望者には打ってつけのサイトだと思う。またgreenから送られてくるメルマガが面白い。これは一読の価値がある。結局、このサイトから応募することはなかったけど、いい情報をたくさんもらった。


では、皆さんの健闘を祈る。

クリエイティブなお仕事

今、世の中にある仕事を大きな意味で分けると「オペレーション」と「クリエーション」に分けられると思うんだよね。でも実際に日々の仕事では「オペレーション」が大半を占めてないだろうか?スケジュール帳はこれでもか!ってほど、大量のタスクで埋め尽くされる。顧客満足のため、法令遵守のため、CSRのため…、何かと理由をつけては、あっち、こっち、そっちでやること多い。現代ビジネスマンが抱える仕事を分析したとき、「オペレーション」と「クリエーション」の割合はどれくらいになるのだろう?お偉い学者先生、どなたか調べて〜。


「オペレーション」が多い理由は、日本の市場が成熟期(末期)にポジショニングしてるから。成長期に生み出した利益の余白でちまちまと息をつなごうとしてるから、物事を円滑に進めるためには、あれやこれやと試行錯誤する「クリエイション」よりも「オペレーション」が重宝されるのだ。


でも、どの企業も一生懸命努力して、新たなビジネスを興して新たな成長曲線を創ろうとしてるから、「オペレーション」だけで飯を食ってるわけでもない。ただ、一時期(50〜60代の人が若かった頃)と比べれば、「クリエーション」に携われる人は圧倒的に少なくなったと思う。それこそ作れば売れる時代があったし、働けば働いただけ生活が豊かになる時代があった。だから日本人総出で一生懸命働く意味があったんだよね。


今はどうなのか?若者達は安定志向を掲げ、大企業への入社を希望するけれど、そこにあるのは大量の「オペレーション」とほんの少しの「クリエイション」なんだよ。そんな環境の中で仕事をして、「クリエーション」の能力を磨いたり、育てたりできるかっていうと疑問を感じる。仕事を創る力を持たない人間ばかりが寄せ集まった組織が、この先どんな道を歩んでいくのか?想像するだけで恐ろしい。


「オペレーション」が基本となっている仕事が多いから、採用市場では各業務のプロフェッショナルが求められる。適正にオペレートするためにはトライ&エラーなんてやってる余裕がないから、企業の採用水準はどんどん高まるばかり。新卒であれば様々な方向性に伸びるチャンスがあり、将来的に「クリエーション」に携われるチャンスが手に入れられるかもしれない。けれど、現在の就職戦線は厳しく、企業の門戸は狭い。下手に職歴がついてしまえば、その後のキャリアは自ずと選択肢が狭められてしまう。こういう風潮はマジでナンセンス極まりない。


それでも「クリエーション」は求められる。今、僕たちが何を創り出すかによって、子ども達や次の世代に残せる遺産は全く違うものになるだろう。次世代のことはそんなに意識しなくてもいいかもしれないけど、“今”をステキな時間に、ステキな仕事にするために、「クリエーション」に全力で取り組むことだ。立った少しの「クリエーション」でも、その積み重ねが個人のキャリアを大きく変えたり、全体として大きな成果を生み出すことになる。


ね、だから僕らは限られた「クリエーション」を無限の「クリエーション」に変えていく挑戦がいるんだよ!

選挙も政治も矛盾だらけ…

昨日は参議院選挙の投票日でしたね。

 総務省は12日午前、参院選投票率を発表した。選挙区、比例代表ともに57.92%で確定。2007年の前回より選挙区で0.72ポイント、比例代表で0.71ポイント下回った。参院選投票率の60%割れは1992年から7回連続で、過去6番目に低い水準だ。
日本経済新聞オンライン


「過去6番目に低い水準だ。」じゃないよね。有権者の約4割が投票にいっていない状況をどのように捉えるのか?投票しなかったお前が悪い!と自己責任論を持ち出す人がいるけれど、投票に値しないと思わせてる政治や政治家ってどうなの?そこに反省や改善の余地はないのかね?




今回の参議院選挙。個人的には全く関心が持てず、応援したいという候補者も党もないという状況。


選挙戦がスタートすると掲示板に候補者のポスターが貼られ、地元では街頭演説があちらこちらで行われる。“現職”という看板を背負って凱旋する候補者達。でも、その人達の顔を見たこともなければ、どんな政策を実行してきたのか、実績も分からない。こんな状態で一体誰に貴重な一票を投じればよいのか?


候補者のことは自分で調べろよ!という人もいるかもしれないけれど、その手間ひま、時間的コストを考えたら、やっぱり“私”の大事な一票を投じるためには、今の選挙制度では敷居が高すぎる。まあ、だからこそ、安易にタレント候補なるものを打ち立てて、特定政党を応援していない浮動票の獲得なんかをねらうアホな選挙活動があるんだけど…。


20時以降の選挙特番を見ながら、当確した候補者達が「これから国民のために全力で政治に打ち込みます」なんて語っている姿を見て、あなたは何のために政治家になるのですか?どんな政策を提言し、これから実行していくのですか?全く見えないんですけど(怒)選挙戦ではものすごい熱で語っていたストーリーも、選挙後は全く聞こえず、結局は“党”という組織に所属し、法案を通すための多数決要員に成り下がっていくのではないか、と危惧せざるを得ない。


政治が自分ごとと考えられる年齢になってきただけに、何とも言えない矛盾を感じたりするわけです。




今回の選挙で民意は民主党に「NO」を突きつけた。いろんな評論家がこの事態に持論を展開していたけれど、僕が今回感じたのは日本の政治は組織対組織の駆け引きだけで成り立ってるってこと。その組織もなんというか中途半端な人たちの集まりで…政治家一人ひとりは特定のドメインで専門家なのかもしれないが、ここにも組織の論理が働き、本来能力を存分に発揮してもらうべき分野で仕事ができていないことも多々あるだろう。この課題だらけの日本国で、誰が全体像を提示し、個別の課題に対応していくのか、それらを個人の主義主張だけで押し進めるのではなく、各方面の専門家達と連携しながら、政策を推進していく新たな政治展開が求められる。民主党とか自民党とか少数政党とか…国民としてはどうでもいいんだよ。政治家一人ひとりが顔と名前が見える距離感で何をやっているかがオープンになるような体制作りをお願いしたい。

役員の高額報酬は不当か?

時事通信社の集計によると、金融庁が今年から個別開示を義務付けた報酬1億円以上の役員は280人超に達した。企業数は約160社で3月期決算企業全体の約6%。高額報酬の上位には、外国人トップや在任期間の長い経営者が並んだ。

1億円以上、280人超に=上位は外国人や長期在任の経営者−役員報酬時事通信社


大手企業の株主総会も続々と行われてる。今年の注目は役員報酬だろうね。一部の総会では、株主から役員報酬の開示が求められ、企業側は各役員の年収を提示し、その理由を冷や汗かきながら説明してたみたい。


役員ってめっちゃ仕事ができる契約社員みたいなもん。企業の業績を伸ばすのが仕事であって、業績の低下や不祥事などがあった際には一番にクビを切られる存在。そんな重責を抱えながら仕事をしているのに、その対価が数千万では見合わないかもね。社長や役員を経験したことのない一般の個人投資家が、株主だからといって「赤字だ」「無配当だ」だの理由で、「なんで、てめえの年収は億越えなんだ」というのは筋違い。ちなみに株主への配当と役員報酬は、同じカネがらみだが経営判断としては全くの別物。赤字業績で無配当にせざるを得なくても、そこで働く人には仕事の対価を支払うのが当たり前。数年前に話題になったモノ言う投資家である外国人投資家達でさえ、個別の投資先で役員報酬が高すぎる〜なんて一言も言ってない。


とは言いつつ、一般の感覚からすれば、年収が1億越えるっていう理由がわからないよね。日産のカルロス・ゴーンだって、自身の年収について「日産はグローバル企業であり、決して高くない水準だ」なーんて他社との相対比較でしか理由が説明できない。組織ピラミッドの高い位置に付くほど、その仕事の評価や給与体系、その他諸々の事象を明確に論理的に説明がつかなくなることは問題だ。普通のサラリーマンにしてみれば、仕事内容や成果を年度事に評価され、昇給査定だのボーナス査定だのされたあげく、不景気のせいで会社の業績が悪いため、給与やボーナスをカットします!なんてことがざらにある。そのとき経営陣はどんなブラックボックスの中で自分たちの待遇を決めていることやら…。




こういう情報が開示されるようになったのはいいことだと思う。今回、公表された280人の会社や氏名、年収額なんかはこれまでブラックボックスだった経営者の待遇の実態を明らかにした。彼らは仕事ができる契約社員ってなことを書いたけど、仕事ができる人は、俺は年収○○万円じゃないと仕事はしねえって、会社に言ってやればいい。そのとき、会社が困ったなって思うか、いえいえ、そんな金額は払えませんのでお引き取りくださいと言うかは、あんたの仕事のでき次第だな。でも、がんばったヤツが報われる仕組みが日本企業の中にも生まれて来る兆しじゃないかって個人的には思ってる。

役員の給与に高額を支払える会社は、従業員の年収をもっともっと上げれる体力は持ってるよ。会社の平均年収が400万下回るような状況で、社長だけが億越えの報酬もらってるような会社はいろんな意味で問題だと思うけどね。ま、これから働くこととその対価については議論が巻き起こりそうだから、自分の仕事に誇りを持ってる人は、会社とどんどんやり合えばいいと思うよ。